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遠い世界に 五つの赤い風船

僕にとってもう一つの「キレイコワイ」が、この「遠い世界に」だ。

この曲がラジオから流れると、必ずその歌い方のまねをした。

口を半開きにして、「あぁ~、えぇ~、いぃ~」をことさら強調すると、明るくなる筈の歌は遂にいつまでも滑走路から離陸せず、地を這ったまま飛べない飛行機で終わるのだ。

歌詞には「若者」「風船」など明るさを導き出すキーワードがちりばめられているのに、なぜか曲調は中途半端に明るかった、いや暗かった。

四畳半フォークとは違った意味で、暗さ、重さを感じてしまうのだ。

「希望」を歌っているはずなのに、「おまえ、心からそう思っちゃいないだろ?」って言いたくなるのだ。

「明日と言う日は、明るい日と書くのね~」ほど皮肉っぽくはないが、いや、なぜかこの時代の歌は暗い。

同系列のフォークソングの代表曲「若者たち」もそうだが、とにかく暗い。

全然エネルギーが前に出てこない。

内なる炎がメラメラ燃えてるかと言えば、そんなことも感じられない。

静かに淡々と「未来に対する希望」をマイナーコードにのせて「不安」として語ってしまうのだ。

おいおい、青春とは「希望」に満ちているが、実は「不安」の連続なのだよ。

「明るい希望」などと人は簡単に口にするが、それは背中合わせの「まだ見ぬ不安」を払拭するための呪文のようなもの。

日常的な自己矛盾に対処する呪術の一つにすぎないのだよ。

などと、分かったような分からないような文章を残し、今日は眠ってしまうことにする。

2003/07/06(初稿)

2022/03/07(追補)

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五つの赤い風船@ウィキペディア(Wikipedia)

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