昔、「スター誕生」という歌手オーデション番組がありました。
阿久悠、都倉俊一など当時の若手作家達が審査員として名を連ね、欽ちゃんが司会を努めていた名物番組です。
山口百恵をはじめ、森昌子、石野真子、ピンク・レディー、中森明菜など多くのアイドル歌手がこの番組から巣立って行きました。
なかなかの辛口批評で、ズバズバものを言う審査員達の対応は、ある種の好感をもって受け入れられ、日本テレビの名物番組として随分長い間続いていました。
その歌唱審査の中で、カワイコちゃんアイドル系から一歩でて、実力派を目指そうとする娘達が好んで選曲していたのが、伊藤咲子、ペドロ&カプリシャス、そしてこの西島三重子のナンバーだったように記憶しています。
「池上線」は、歌謡曲でなくフォークでもなく、ましてや演歌でもなく、かなり微妙な位置にありながら、多くの人達に愛唱されたナンバーです。
僕もカラオケが出たばかりの頃は、ムード歌謡に酔いしれる上司から声が掛ると、差し触りのない歌曲として随分と歌ったものでした。
しかし、実は、歌詞に出て来る「古い電車」や「フルーツショップ」などは、学生時代の思い出と完全にシンクロしていて、独り思い出に浸っていたと言うのが本当のところです。
かぐや姫の「神田川」を「しみったれた四畳半私小説」と罵倒していながら、「池上線」には共感してしまうところが、なんとも理解できない人には理解できないでしょうが、まっ、ほっといて下さい。
ちなみに「かぐや姫」はダメですが、「風」はOKですし、自慢じゃないですが「北の国から」は一度も観たことはありませんが、「前略おふくろ様」や「昨日悲別で」は、何度も観たことやら・・・ いや、いやぁ、随分と脱線してますね。
ところで、この池上線をはじめとして、東急電鉄の路線にはこの「緑色の電車」がよく走っていました。
丸みをおびたそのフォルムは、「板張りの床」と相まってそこはかとない郷愁を誘い、実に歌の雰囲気に合っていました。
東急線沿線には、独特の生活感を漂わせた街並みが続いていて、不思議な安心感があったものです。
実は僕も、そんな街で少しだけ暮らしたことがありました。
で、本当はその時の思い出をつらつらを書こうと思ったのですが、・・・、ダメですね。
別れ話など、Web の話題にできそうにありません。
しまったままにしておきます。
2003/08/30(初稿)
2022/03/08(追補)
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